休憩室に行くと、何やら都会的でお洒落なお菓子が並んでいた。いつもお世話になっている営業さんからの差し入れのようだ。いつも柿ピーやごんじりや茎わかめが並ぶテーブルに、異国の美女が紛れ込んだみたいな華やかさが加わっていた。
今日挨拶に見えた営業さんは、先日の記事に書いた高橋さんの会社ではなく、別の外資の会社の方である。
コロナ前は東京勤務の方が出張でこっちに来る際 いつも表参道とかに売ってそうなお洒落菓子を差し入れしてくれていた。
今日は昨今の状況から、いつもの人が東京から来るわけにもいかず、職場近くの営業所の方が代わりに挨拶に来た。それでもお菓子は変わらずTHE TOKYOって感じだった。
外資の会社で皆さん見た目がパリッとしており、態度もハキハキしていて、持ってくるお菓子もお洒落なので、我々はみんなここの会社には厚い信頼を置いている。
ただ一つ問題なのは、お菓子が毎回人数分ないことだ。
うちの部署は全ての係を合わせて40名程いるのだが、毎回中身が30個くらいしかない。ある時はシュークリーム20個という日もあった。
もしカントリーマァムが差し入れされて数が足りなかったとしても、特に何も問題はない。他の人に譲って、食べたかったら帰りに自分で買えば済むのだから。
しかし、THE TOKYOという感じのお洒落菓子だと話は違ってくる。カントリーマァムのように気軽に手に入る代物ではないからだ。
私たちの係は損をしたくないタイプの人間が集まっているため、個数限定のお菓子があるとわかると、全員がありつけるようこれ以上ないチームワークで早めに休憩を回すよう奮闘する。おかげで今日も全員ラズベリーバターサンドを獲得することができた。
去年のシュークリーム20個の時も、みんなで結託した甲斐あって係全員食べることができたのだが、この日は部長が部屋にまで来てかなり怒られた。
部長「おい!あんたらは何でこうも遠慮なく食べちゃうんだよ!若い子たちの分がなくなってるよ!」
係長「だってどうせ足りないんでしょ」
部長「若い子に譲ろうって気持ちはないのかよ!」
キャ(うちらは若い子に入るよね?)
優子(私は入ります)
キャ(私も入るよね?)
優子(入ると思います)
係長「いやいや、テーブルに出されてたら食べちゃうでしょー」
部長「だって言ったよね!?数がないから考えて食べろって」
宮内「そもそも人数分買ってこないのが悪いと思います!」
キャ(もちろん部長は食べなかったんだよね?)
優子(食べてました…)
ちなみに私たちの係は部署内で1番人数が多く、当時は10人いた。なので、差し入れされた量の半分を我々がいただいたことになるため、部長が怒るのも無理ないなと思った。
これを私たちはシュークリーム事件と名付けたが、名付けた割にその反省を生かそうとしている人は誰もいない。