うちの職場は年度末に、一年お疲れ様でしたケーキを食べる風習がある。
種類がなくならないうちに、私はいつもより早めに休憩に行った。
部長「どれが美味しいの?」
キャ「この奥のやつがもう2個しかないですよ。人気なんだと思う」
部長「俺ナッツ食べらんない」
キャ「じゃあショートケーキしかないですよ。他は全部ナッツが側面にくっついてる。はい。」
私はチョコケーキを選び、美味しくいただいた。
ケーキを食べ終え部屋に戻り1時間くらいすると、今日の任務を終えた優子がフラフラしながら部屋に戻って来た。
今日我々は全員暇だったが、優子だけが超ハードスケジュールだった。一応全員暇なりにも自分の任務はあったので、手伝ってやることもできなかった。
キャ「なんかずっと働いてたじゃん。」
優子「ほんとですよ…」
キャ「ケーキあるから食べて来なよ」
優子「あー。年度末の。じゃあ行ってきます。」
ケーキを食べ終え休憩室から部屋に戻ってきた優子に話しかけられた。
優子「今日のケーキってショートケーキしかない感じですか?」
キャ「いや…6種類くらいあったよ」
優子「私行ったらショートケーキしか残ってなかったですよー」
ケーキは早いもの勝ちなので、人より遅くまで仕事を頑張った人ほど選べる種類の幅が少ないことになる。理不尽な話だなと思った。
でもショートケーキだって美味しく立派なケーキなのに、バラエティに富んだケーキが並ぶ中に置いてあると、若干ありきたりでハズレみたいな扱いを受けているのも、ショートケーキ側からしたら理不尽な話だろうなと思った。