朝出勤すると、見慣れない人物が部屋にいた。
「おはようございまーす」
髪を切った後輩の優子だった。
4年くらい一緒にいるが、ショートの優子を見たのは今日が初めてだった。
「須田さんベリーショート、新鮮だね〜」
「すごい可愛いよ!」
と、みんなが褒めてる中で、複雑な思いをかける人物が1人いた。
私である。
時は遡り、先週金曜日の出来事。
キャ「あんた…髪明るくした?」
優子「いえ…」
キャ「ちょっとさぁ、金髪みたいだよ?」
優子「まじですか〜こげ茶くらいのハズなんですが」
キャ「全っ然こげ茶じゃないよ!どうにかしてきな」
優子「今週染めてきます!」
という会話をした。
私は、もう少し綺麗な感じに染めてくれればそれだけでよかった。
というのも 以前優子は
「私、結婚式するまではロングで行きます!ロングの方がいろいろアレンジできそうじゃないですか?豪華にしてもらうの楽しみなんですよ〜!」
と満面の笑顔で言っていたハズ。
なのに…こんなにバッサリ切ってしまったなんて。
私が色々言ったせいで、結婚式まで取っておくハズだった髪を泣く泣く手放してしまったのでは?
もしそうだったら一言くらい謝らなければと思い、聞いてみることにした。
キャ「やっぱ私が金曜に言ったからバッサリ切っちゃったの…?」
優子「いや〜、でもずっとどうにかしなきゃなとは思ってましたし」
キャ「だって優子さあ、前に結婚式の日まで伸ばしますって宣言してたから、私余計なこと言っちゃったかなと思ってね」
優子「え?そんなこと言いました?」
キャ「3年くらい前に言ってたよ」
優子「そんな前のこと覚えてるんですか!?そんな決意私も全然忘れてましたよ〜」
キャ「ほんと!じゃあ私気にしなくていい!?」
優子「はい!てかこの数年、彼氏すら…できてないし…」
そうだね!結婚式までに充分ロングに戻れるね!と言いそうになったけど、少し考えてやめた。