先日の記事に書いた、他部署のボスである風間さんから、バレンタインのお返しが届いた。
うちの部署から風間さんの部署へ応援に行っている赤石・原田・キャンディの3人は、毎年バレンタインの風間さんへのチョコ渡しに参加しているため、ホワイトデーの週は本所属の方々と同じようにお返しが貰える。
風間さんはお金を持っている人なので、我々は毎年数百円の出費で済むにも関わらず、毎年千円くらいの大きめorお洒落なケーキをなんと一人一人に買ってきてくれる。
本日の応援当番であった赤石さんが、午後ケーキの袋を持って部屋に帰ってきた。
今年のケーキは何かな?と、私と原田さんは赤石さんの元に駆け寄り、袋の中を見た。
キャ「シュークリーム」
赤石「うん、、今年はこれみたいよ。」
キャ「前より随分と小ぢんまりしてますね…」
原田「風間さん不景気なんですかね」
ホワイトデーにしろ誕生日にしろお祝い品にしろ、ギフトというのは贈ってくださったという気持ちが大事なのであって、お返しが例えパイの実だったとしても、ありがたい気持ちになる。人間そうでなければいけない。
しかし今回の風間さんの場合は、いつもいつも高級な品をくれていたという前例がある。本来であればケーキ屋さんのシュークリームを職場の一人一人に渡していたらかなり豪華な方だと思うが、やはり例年との落差がちょっぴり気になってしまうのだ。
赤石「実はすごい高いんじゃない!?1個700円とかするんじゃない?」
私は、ひくほど嫌らしい行為だとわかりながらも、ラベルに印刷してある店の名前を検索し、シュークリームの写真を押して値段をこっそり調べた。
一個:120円
我々のバレンタインの集金:1人273円
赤字…!
まぁでも美味しそうだしいいか、という結論に至り、休憩室の冷蔵庫に入れた。
そして休憩時間、冷蔵庫を開けた沢田さんが、件のシュークリームを見つけた。
沢田「なにこのシュークリームは」
キャ「我々がホワイトデーで風間さんからもらったんです。沢田さんは旦那さんにバレンタインとかあげるんですか?」
沢田「いや〜、もう50だからね。わざわざチョコとか買ったりはしないけど…夕飯は旦那の好きなものにするかな。」
キャ「ハンバーグハート型〜とかにしないんですか」
沢田「え〜〜、、、するよ」
キャ「え!ちょっと!ラブラブじゃないですか!私沢田さんちみたいな夫婦憧れますよ!」
沢田「恥ずかしいなぁ」
キャ「旦那さんもホワイトデーとかくれるんですか」
沢田「くれないよー。私ご飯作ってるだけだもん」
キャ「でも特別ディナーじゃないですか!お礼にワイン買ってきてくれたりご飯連れてってくれたりしてもいいのになぁ」
沢田「こういうものは気持ちが大事なんだから。うちのは食べた時にありがとうって言ってくれるからさ。それだけで充分なんだよね。」
私は
「お返しはパイの実だって構わない」
と考えている点において、自分は謙虚で器が広い人間だと思っていた。そんな自分を恥じた。
本当に器が広い人はそもそも見返りなんか求めないんだ。
これからたくさん徳を積んで、沢田さんのように「ありがとうの言葉が聞ければ満足」という境地に早く至りたい。