昼休憩に来たももちゃんの弁当バッグに、サクマ式ドロップスが入っていた。
ドロップ缶といえば火垂るの墓が思い浮かんだ私は、
「あ、火垂るの墓じゃん」
と声をかけた。
「はいっ。1個あげますよ」
と、ももちゃんが気を利かせてくれたが、私は弁当を食べている途中だったので断った。
ちょっと遅れて昼休憩に来た優子も、ももちゃんのドロップ缶を見るなり
「あ、節子じゃん」
と言った。
ももちゃんは優子にもドロップを一個勧めていたが、優子もこれから弁当を食べなければならないので断られていた。
優子に続いて倉田さんが昼休憩に入ってきた。倉田さんもドロップ缶を見るなり
「なんだか火垂るの墓みたいだねえ」
と言った。
ももちゃんは倉田さんにもドロップを勧めていたが、お弁当食べるからと断られていた。
みんなドロップに対して火垂るの墓のイメージ持ちすぎ。
そしてももちゃんは食前に飴を勧めても誰も受け取ってくれないことを学習した方がいいと思った。
そのあと休憩室にきた山口さんは ももちゃんのドロップについてリアクションしてなかったが、中休憩の時にスイカ味の飴を選んでいたので、実は陰ながら火垂るの墓の最後らへんのことを思い出していたのかもしれない。