終業後、休憩室で弁当を食べていたら、後ろから
「キャンディさん…」
と突然声をかけられた。気配も何も感じなかったのでめちゃくちゃびっくりした。
振り返ると疲れ切った表情の後輩の桃ちゃんが立っていた。
桃「キャンディさんは…どれくらい勉強していますか…?」
私と桃ちゃんは、種類は違うが今年資格試験を受ける。しかしお互いにモチベーションが全く上がらないでいる。
キャ「まぁ…10ページとか1日の量決めて適当にやってるよ」
桃「私本当に困ってるんですよ!!コロナで勉強会とかも潰れちゃったし、同じ試験受ける人たちと話すこともできないから、ほんとに全然モチベーションがあがらないんですよ!!」
キャ「あー私も同じだよー。でもさぁ、やんなきゃ仕方ないからね」
それから日々の仕事や生活・恋愛など、我々を取り巻くあらゆる環境の悩みの話に発展し、最終的に資格の話題に戻った。
桃「じゃあこうしましょう!キャンディさん!キャンディさんが土日とか勉強始めるときは、私にLINEください!これから勉強するよーって。そうすれば私もやる気出るんで!」
キャ「あー、それはいい考えだね。じゃあさ、お互いに送ろっ。勉強するときは!LINEしよう!!」
桃「そうしましょー!」
試験は違えど、身近に頑張ってる人がいる!と思うことは結構刺激になるので、普通に良い考えだなと思った。
次の日
また私が休憩室で夕飯の弁当を食べていると、丸橋さんがやってきた。
丸橋「桃ちゃんがねー、ヘコんでるのよね」
キャ「なんでですかー。私と桃ちゃんは昨日やる気出そうねって誓いあったばかりです」
丸橋「んー。試験近いのにあまりにもやる気が感じられないから、桃ちゃん今日藤本君に一喝されたんだよね」
キャ「えっ」
丸橋「死ぬ気でやる気がないんだったら諦めちまえって」
キャ「厳しっ…」
丸橋「申込はこれからだからさ、ほんとに諦めるかもしれない」
キャ「まじか」
まあでもなんやかんやで結局桃ちゃんが諦めることはないんだろうなと思ってる。
そして私もさすがに死ぬ気にはなれないし、藤本さん一喝の話を我が身の様に聞いて、どうしようかなと心揺らいだが、私はもう受験料を払ってしまったので後には戻れないのだった。