今日は年内最後の出勤。
今年中の仕事の全片付けをするので 例年通りまあまあ忙しい1日になったが、今年も無事に納めることができた。
先日の記事に書いた、仕事納め料亭弁当も届いた。
うちは仕事納めの日に、2000円程度の弁当をみんなで注文する風習がある。
しかしこの弁当を注文する際に、なにやら一悶着があったらしい。
弁当注文係の笠原さんが集計表をチェックしてみると、弁当の数が合わない。1つ足りない。
名簿をよく見ると、1人だけまだ弁当を選んでいない職員がいた。
少しこだわりの強い女子職員 神田さんである。
笠原さんは神田さんのところに出向き、希望の弁当を教えてほしいと直接聞いてみた。
すると、
「弁当なんかいらないから、現金でもらえませんか?」
という答えが返ってきたという。
それは事務的に無理な話ですので。。と言っても、神田さんは全く聞く耳を持ってくれない。
自分の手には負えないことを悟った笠原さんは、部長を呼んで説得してもらったが、全然納得してくれない。最終的には ほぼ力尽くで焼肉弁当を頼ませた。力尽くで焼肉弁当を頼ませるってなんだよ。
休憩室では、疲れ切った表情の笠原さんをみんなで囲んで励ましていた。一見神田さんが完全悪のように見えるこの事件だが、不思議と彼女を責めるような声は一言も聞こえてこなかった。
実は割と多くの人が、神田さんと同じく現金で欲しいと思っている。
2000円程度の金額があれば、結構色々なことができる。例えば終業後に丸亀うどんを食べてからレイトショーで映画に行ったとしてもお釣りが来るのだ。
2000円あれば、雑貨屋のまあまあ可愛いアクセサリーも買えるし、米も5kgくらい買える。
全額弁当に費やすのではなく、自分なりの有意義な使い方をしたい人は結構多いのだ。私もその一人。
でも2000円くらいのお金でガタガタ言うのもアレだし、長年続いてきた風習を変えるのも…などと思ってみんな言わない。
しかし私たちと違って神田さんは 改革して欲しいことを自分で発言して変えようとしたのだ。言い方こそキツかったのかもしれないし、要求したのも急すぎだし、笠原さんや部長に迷惑をかけてしまったのは事実だが、我々は神田さんを責める気持ちになれなかった。
そしてこの神田騒動をきっかけに、来年からは現金支給になる可能性もあるかな…と、完全他力本願な期待を抱いている。
でも、焼肉弁当を食べるとやっぱり大変美味しいので
「まあ弁当のままでもいいか…」
と毎年思ってしまう。