うちの職場は40代の方々も多い。
その年頃といえば、各々のお子さんたちが、ちょうどサンタの存在を疑い始める時期でもある。
同じ係の原田さんには、11歳になる息子がいる。息子君は毎年 サンタに何をお願いするのか原田さんに教えてくれていたが、去年、サンタの正体は母ちゃんなんじゃないか？と突然疑いだして、検証のために教えてくれなくなったとのこと。
原田さんは初期設定の時に「サンタへのお願いは念じるだけでフィンランドまで届く」というエスパー設定にしてしまったことをとても後悔していた。
最初から手紙か何かを書いてお願いするシステムを確立させておけば、欲しいものを確実に書面で確認することができたのに…
困った原田さんは、中学2年生のお姉ちゃんに探りをいれてもらうことにした。
お姉ちゃん探偵によって、とあるゲームソフトを欲しがっていることが判明した。
そしてクリスマスイブ、ごちそうを食べた後 原田家の玄関を開けてみると、ポストの下にはお姉ちゃんと息子君のクリスマスプレゼントが並んでいた。
2人とも喜んで包装紙を開けた。すると…
「あれ？ゲームだ〜」
息子氏へ購入したゲームソフトは、お姉ちゃんが2番目に欲しかったソフトであることが判明した。
お姉ちゃん探偵は、弟にクリスマス何が欲しいのか、聞いてすらいなかったらしい。
息子も息子でゲームはするので、まあこれでもいいや〜と一応喜んではくれたが、原田さんはこの後お姉ちゃんをめちゃくちゃ叱った。
親の原田さんはとても人格のある人だし、息子君は希望のプレゼントではなかったにも関わらず文句言わずに喜んでくれるような 当時10歳とは思えない器のデカさを持っているのに、お姉ちゃんだけ真っ直ぐクズに育っている。これから高校生活や大学生活を経て真っ当な人間になってくれることを願うばかりである。
あと今年から原田家にサンタは来ないらしい。
